2009年12月28日
『八ッ場ダムは止まるか』
『雪崩の掟』を図書館に返しに行った際に
また別の本を借りてきてしまった
『八ッ場ダムは止まるか(首都圏最後の巨大ダム計画)』
(著者:八ッ場ダムを考える会)
を読んでみました
(下の写真は岐阜飛騨の某ダム)

また別の本を借りてきてしまった
『八ッ場ダムは止まるか(首都圏最後の巨大ダム計画)』
(著者:八ッ場ダムを考える会)
を読んでみました
(下の写真は岐阜飛騨の某ダム)

政権交代してやっと一時休止状態になった八ッ場ダム建設
著書『八ッ場ダムは止まるか(首都圏最後の巨大ダム計画)』は
2005年2月初版発行なので5年近く前のものです
1.最初に1952年から1992年まで続いたダム建設反対運動に
疲弊しきった川原湯温泉街の地元住民の様子が描かれている
1957年頃に地元住民によって書かれたダム建設反対の理由は
ダムの及ぼす影響を知る現代の人が読んでも理にかなったもので
その先見性には正直驚きました
その後、反対運動は下流域に住む市民に引き継がれ今でも続いているが
地元住民にとっては『遅かった。もっと早く助けにきてほしかった』と書かれている
(八ッ場ダムを考える会は7年後の1999年に発足)
2.次に八ッ場ダムが本当に必要かをダム建設の2つの理由とコストから検証している
まずは事業費用から
この本によるとダム建設費が4600億円
その他もろもろ含めたダム総事業費は8769億円にのぼる
この内、国費で賄うのは4640億円で
国民1人あたりで3600円の負担となる
(人口1億2755万人で計算)
残りの4000億円を賄うのは利根川流域の一都五県で
一人あたりの負担額が多い順に列挙する
群馬県 17400円(203万人)
埼玉県 17300円(694万人)
茨城県 13100円(299万人)
千葉県 12700円(593万人)
東京都 10500円(1206万人)
栃木県 600円(201万人)
建設理由のひとつ首都圏の都市用水の確保(利水)について
八ッ場ダムの総貯水量は1億750万トンで利根川水系のダムで3番目の規模だが
夏場の利水容量は2500万トンで利根川水系の利水容量が約5.6%しか増えない
1都5県の人口は八ッ場ダム完工予定の2015年をピークに減少し始め、
さらに一人当りの水利用量も1995年頃からすでに漸減傾向で推移し水が余っている
もうひとつの理由の治水について
利根川水系の治水は1947年のカスリーン台風をベースに対策設計をしているが
戦後3大洪水のカスリーン台風、1947年キティ台風、1957年台風21号における
八ッ場ダムの治水効果は国交省の計算結果ではほぼゼロと書かれている
これは南側から来る大型台風の時、雨雲が地を這う様にきて榛名山や赤城山に
大雨を降らせるため、吾妻川流域(八ッ場ダム建設地上流)の雨量は少なくなるためと考えられている
3.活火山(浅間山)の下流にダムを造るとどうなるか
1783年の浅間山天明噴火でダム建設地まで流れ下った泥流の総量は
約1億立方メートルとされほぼ八ッ場ダムの容量に匹敵すると土木研究所が推計している
計算では噴火から約30分で八ッ場ダムに泥流が到達する
その時のダム内の貯水量が満水であれば洪水をもたらすし
ダムが決壊する様なら多大な人災を招く装置になりかねない
あと建設地の地質についても書かれており
地質が脆弱で割れ目も多く更なる建設費の上乗せがあると警告している
あとがきにはまだ本体着工の見通しが立ってないと書かれていた
約5年前の本なので、、、
残念ながらその後の5年間もダム建設工事は進行し
いまだ続いている下流市民が中心となる反対運動
八ッ場ダムが建設続行か中止になるか今後の動向が気になるところです
仮に建設続行になると反対運動は一見無駄と思われがちですが
一庶民として地元の公共事業への考え方・とらえ方には大きな影響を及ぼしますし、
現にダム事業反対運動組織の全国的なネットワークができつつあり
長期的にとらえれば有意義なものになると思います
八ッ場ダムを考える会は2008年4月に活動を終了し、
地域の再生を最終目標とし八ッ場ダムを見直す八ッ場あしたの会を再発足
今現在、東京都への請願署名などの協力を求めている様です↓
http://yamba-net.org/modules/page/index.php?content_id=1
この記事をお気に召された方は
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最近のよみものに関する記事はこちら↓
・『雪崩の掟』
・『雪煙』
『八ッ場ダムは止まるか(首都圏最後の巨大ダム計画)/著者:八ッ場ダムを考える会』楽天ブックス↓

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八ッ場ダムの最新本が出てますね
『八ッ場ダム新版(計画に振り回された57年)/著者:鈴木郁子』楽天ブックス↓

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2005年2月初版発行なので5年近く前のものです
1.最初に1952年から1992年まで続いたダム建設反対運動に
疲弊しきった川原湯温泉街の地元住民の様子が描かれている
1957年頃に地元住民によって書かれたダム建設反対の理由は
ダムの及ぼす影響を知る現代の人が読んでも理にかなったもので
その先見性には正直驚きました
その後、反対運動は下流域に住む市民に引き継がれ今でも続いているが
地元住民にとっては『遅かった。もっと早く助けにきてほしかった』と書かれている
(八ッ場ダムを考える会は7年後の1999年に発足)
2.次に八ッ場ダムが本当に必要かをダム建設の2つの理由とコストから検証している
まずは事業費用から
この本によるとダム建設費が4600億円
その他もろもろ含めたダム総事業費は8769億円にのぼる
この内、国費で賄うのは4640億円で
国民1人あたりで3600円の負担となる
(人口1億2755万人で計算)
残りの4000億円を賄うのは利根川流域の一都五県で
一人あたりの負担額が多い順に列挙する
群馬県 17400円(203万人)
埼玉県 17300円(694万人)
茨城県 13100円(299万人)
千葉県 12700円(593万人)
東京都 10500円(1206万人)
栃木県 600円(201万人)
建設理由のひとつ首都圏の都市用水の確保(利水)について
八ッ場ダムの総貯水量は1億750万トンで利根川水系のダムで3番目の規模だが
夏場の利水容量は2500万トンで利根川水系の利水容量が約5.6%しか増えない
1都5県の人口は八ッ場ダム完工予定の2015年をピークに減少し始め、
さらに一人当りの水利用量も1995年頃からすでに漸減傾向で推移し水が余っている
もうひとつの理由の治水について
利根川水系の治水は1947年のカスリーン台風をベースに対策設計をしているが
戦後3大洪水のカスリーン台風、1947年キティ台風、1957年台風21号における
八ッ場ダムの治水効果は国交省の計算結果ではほぼゼロと書かれている
これは南側から来る大型台風の時、雨雲が地を這う様にきて榛名山や赤城山に
大雨を降らせるため、吾妻川流域(八ッ場ダム建設地上流)の雨量は少なくなるためと考えられている
3.活火山(浅間山)の下流にダムを造るとどうなるか
1783年の浅間山天明噴火でダム建設地まで流れ下った泥流の総量は
約1億立方メートルとされほぼ八ッ場ダムの容量に匹敵すると土木研究所が推計している
計算では噴火から約30分で八ッ場ダムに泥流が到達する
その時のダム内の貯水量が満水であれば洪水をもたらすし
ダムが決壊する様なら多大な人災を招く装置になりかねない
あと建設地の地質についても書かれており
地質が脆弱で割れ目も多く更なる建設費の上乗せがあると警告している
あとがきにはまだ本体着工の見通しが立ってないと書かれていた
約5年前の本なので、、、
残念ながらその後の5年間もダム建設工事は進行し
いまだ続いている下流市民が中心となる反対運動
八ッ場ダムが建設続行か中止になるか今後の動向が気になるところです
仮に建設続行になると反対運動は一見無駄と思われがちですが
一庶民として地元の公共事業への考え方・とらえ方には大きな影響を及ぼしますし、
現にダム事業反対運動組織の全国的なネットワークができつつあり
長期的にとらえれば有意義なものになると思います
八ッ場ダムを考える会は2008年4月に活動を終了し、
地域の再生を最終目標とし八ッ場ダムを見直す八ッ場あしたの会を再発足
今現在、東京都への請願署名などの協力を求めている様です↓
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Posted by チト爺 at 05:54│Comments(0)
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