甚目寺観音展(名古屋市博物館)

チト爺

2011年09月27日 05:58

8月下旬のことですが名古屋市博物館で開催していた
仁王像修復記念『甚目寺観音展』に行ってきました

尾張四観音のひとつ、鳳凰山甚目寺
創建されたのは飛鳥時代なので約1400年前です
その長い歴史を物語る数々の寺宝を展示

そのなかでも注目を浴びていたのは
鎌倉時代後期に作られた愛染明王坐像の中から新たに発見された胎内仏

1996年にファイバースコープによる調査で像内に直径約10センチの球体のものを確認し
昨年?修理のため像を解体した際にCTスキャンして球体の中から胎内仏を確認したそうです
胎内仏は約6.6センチのミニチュア愛染明王像で球体に密閉されてたので
劣化がなくとても鮮やかな色彩でした

この愛染明王坐像は1283年以前のものと言われている
爺の身勝手な想像ですが、当時蒙古襲来(1274年・1281年)が続いたので
危機管理を踏まえ胎内仏のみを球体のまま外へ持ち出して逃げられる様に作られたのかもしれない
たとえ捉えられたとしても球体は宝珠ほど目立つものでもないし
球体のなかに胎内仏が入っているとは思わないだろう

展示会が終わると胎内仏はまた愛染明王坐像の中に戻され、次回の修復まで取り出されることはない
技術の進化と修復時期が偶然重なり700年以上経ったこの時代に運よく拝むことができた
修復時期が20年早ければここまで調べなかったと思うし爺も興味がなかっただろうし
あと20年遅ければ爺がこの世にいないでしょうし(笑)
長年守り受け継いでこられた祖先の方々に感謝したい



あなたにおススメの記事
関連記事